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重厚長大からライトノベルへ

主にライトノベルの感想とそれに関連するネタを書きます。

感想「スワロウテイル 人工少女販売処」(籘真千歳/ハヤカワ文庫JA)☆☆☆☆☆

☆5 感想 ハヤカワ文庫JA

スワロウテイル人工少女販売処 (ハヤカワ文庫JA)

スワロウテイル人工少女販売処 (ハヤカワ文庫JA)

〈種のアポトーシス〉の蔓延により、関東湾の男女別自治区に隔離された感染者は、人を模して造られた人工妖精(フィギュア)と生活している。その一体である揚羽(あげは)は、死んだ人工妖精の心を読む力を使い、自警団(イエロー)の曽田陽介と共に連続殺人犯"傘持ち(アンブレラ)"を追っていた。




この本をジャンルで表すとすると「ライトノベル×SF with恋愛ミステリー」かな? 横文字のふられた用語、必殺技的掛け声、キャラクターの造形などのライトノベル要素。人工知能から未知の菌類、宇宙的要素まで詰まったSF要素。そこに恋愛要素とミステリー要素をぶちこんで、巨大なロボットとのバトルや一国二制度などのポリティカルなところを混ぜたもの。読了後ここまでの本を読んでしまったことへの恐れ慄く気持ちが沸いてきた。こんなに多くの食材使ってよく味が喧嘩しないな~という気持ちだ。
そして、この本は何と言っても美しい。東京湾に浮かぶ人工島とそこにある巨大な歯車、近未来な街と蝶が飛び回る世界観という情景をついつい脳内で再現してしまいそれが美しい。そのうえ殺人事件のキーとなる愛する人を思う気持ち、主人公の人工妖精であるがゆえの人との違いに悩む様子など、読んでいて美しいと思った。